家具製造業｜補助金を活用した設備投資

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更新日：2025年3月18日

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事業承継補助金、新事業進出補助金、中小企業成長加速化補助金、省力化投資補助金、省力化投資補助金（一般型）、経営力向上計画

家具製造業の概要

家具製造業は、大きく木製家具製造業と金属製家具製造業の２つに分けられます。一般社団法人日本家具産業振興会によると、2019年の製造品出荷額は、木製建具が8,152億円、金属製家具5,462億円となっており、市場規模では木製家具の方が大きいですが、近年のトレンドとしては金属製家具の出荷額が木製家具に比べ増加傾向となっています。
用途別で見ると、一般住宅向けまたはオフィス向けとして製造されることが多いです。一般住宅向けにおいては、戸建て、アパート・マンションともに据付家具の一般化により、建具製造業者との競争激化傾向にあります。また、オフィス向けとしては、コロナ禍でのテレワーク定着によるオフィス家具需要の減少の影響が大きいと言えます。
業界全体では、人手・担い手不足問題が顕著に見られます。経済産業省の2020年工業統計表によれば、全国の家具・装備品製造業の事業所数は2019年時点で4,578件となっており、2014年の5,550件から17.5％減少しています。個人事業主においても664人と2014年の1,306人から半減しているのが現状です。これは職人の高齢化による廃業や景気低迷により安定志向の学生が増え、知名度のある大手家具メーカーへの人気が集中していることが要因として考えられます。事業所数は減少傾向にあるものの、中小企業においては、大手の家具製造小売業者（SPA）との競争もあり、家具製造業界は厳しい競争環境に置かれていると言えます。その一方で、デザイン性の追求や顧客ニーズに応じて一点物を創り上げるオーダーメイド対応、自社で製造した製品を自社ECサイトで販売するなど、他社と差別化を図る独自の戦略展開により、売上および利益確保をしている企業も多くあります。

家具製造業の市場環境

帝国データバンクの調査によると、2020年度の国内の家具・インテリア販売市場は前年度比6.1%増の約1兆5,000億円と過去最高の水準となっています。これは、コロナ禍において自宅で過ごす時間が増えたことで、テレワークや普段の生活を快適にするために家具やインテリアにお金をかける人が増えたことが大きな要因です。今後の市場動向は、AI活用による経済市場予測を提供する株式会社xenodata lab.によると、2028年の家具メーカーの国内市場規模は、1兆6,282億円と推定されます。プラス要因としては、少子高齢化によるシニアライフ関連製品やリフォームに伴う家具買替需要の増加が予測されています。一方で、マイナス要因としては、コロナ禍で定着したテレワークの継続によるオフィス家具需要の減少の影響が大きいと予測されます。

家具製造業界で想定される経営革新

１．デジタル技術の活用

CADを活用して、デジタルモデルを作成することで、複雑な家具デザインを容易に試作できます。これにより、デザインの詳細な確認や変更が迅速に行えます。また、CNC（数値制御装置）対応設備を活用して、デジタルモデルを実際の切削や成形プロセスに適用することで、精度の高い製品を製造することができます。近年では、3Dプリンタによる試作品の製作や複雑な形状の家具部品製造、VRやAR技術を活用して、顧客が家具のデザインや配置を仮想的に体験することが可能となりました。デジタル技術を活用し、デザインから製造、販売までのプロセスを効率化することで、生産性向上が期待されます。

２．オンライン販売

近年では、インターネットを利用して家具を販売するオンラインプラットフォームを比較的容易に運営することができるようになりました。地理的制約のない広範囲の顧客にアクセスできるようになる反面、アフターサポートや顧客情報管理、オンラインでの販売戦略立案などの対応が求められます。

３．オーダーメイド家具の製造

オーダーメイド家具は、顧客の要求に合わせて設計および製造された家具です。デザインおよび製造プロセスが複雑化することがあるので、これに対応するための技術や設備が必要となります。個別の注文に応じて家具を製造することで、高い付加価値の製品を提供することができます。

４．エコフレンドリー家具の製造

エコフレンドリーとは、自然環境や人、動物に優しいという意味があります。近年、持続可能性と環境配慮への意識が高まる中、再生可能な素材やリサイクル可能な素材を使用したエコフレンドリーな家具の製造は、今後のトレンドになると言えます。例えば、間伐材を用いた家具や低アレルギーの原材料を用いた家具の製造が挙げられます。

５．インテリアデザインサービス

理想の暮らしを求めてインテリアを選びたいという消費者ニーズも一定数存在します。顧客の居住空間に合わせて家具を選定し、デザイン提案するサービスを提供することで、新たな付加価値の創出が可能です。長期的なファン形成にも繋がり、リピート率向上やブランド価値向上が期待されます。

家具製造業で「ものづくり補助金」

●パネルソー、NCルーター

主に木材の裁断に用いられる機械ですが、最新の機械は、タッチパネル採用により非熟練者でも操作が容易であり、材料の位置決め、裁断加工もプログラム制御されます。また、ロボットアーム等と組み合わせることにより、材料のセット、取り外しを自動化することで、熟練工の人材不足課題の解決、大ロット生産に対応することができます。

●ボーリングダボ打ち機

ダボ打ちを行うためには、位置決め、ボーリング、接着剤注入の作業が必要となります。手作業では手間と時間がかかる工程ですが、NCボーリングダボ打ち機を活用することで、ダボ打ちに必要となるすべての工程を１台で機械化することが可能です。各工程で必要としていた人員の省人化や機械制御による加工精度向上、不良率削減にも期待することができます。シームレスな作業工程を実現することで、リードタイムの短縮、量産化が可能となります。

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家具製造業で「事業再構築補助金」「新事業進出補助金」

過去は「事業再構築補助金」、今後は「新事業進出補助金」

●レーザー加工機、ベンディングマシン、溶接マシンなど

既存事業：自動車・同附属品製造業
新規事業：家具製造業

自動車・同附属品製造業は、HEV（ハイブリッド電気自動車）およびPHEV（プラグインハイブリッド電気自動車）の普及が進むことで、従来の内燃機関部品の需要が減少する可能性があります。そこで、既存事業で培った金属製品の加工ノウハウや品質管理といった強みを活用し、新事業に必要となる設備を新たに導入することで、金属製家具製造の新規事業を開始することも想定されます。

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